成果の伸び悩みなど課題の克服のため、アフィリエイター向けにキャンペーンを企画します。効果的な施策になるためのポイントをお伝えします。
このページの目次
アフィリエイトのキャンペーンとは
アフィリエイト広告のキャンペーンとは、提携アフィリエイターを対象に通常より高めの成果報酬を期間限定で用意することです。未提携のアフィリエイターも、キャンペーン期間中に提携することで対象になります。
提携数の伸び悩み、掲載が進まない、商戦期に合わせてさらに成果を獲得したい・・・といったアフィリエイト運用の課題を解決するために企画します。単発で実施するのではなく、目的に沿って定期的に行うことをお勧めします。
なぜ、アフィリエイトでキャンペーンを企画するのか
成果獲得や提携数増など、課題を克服するために広告主はアフィリエイターを対象としたキャンペーンを企画します。多くの広告主が「課題の克服」のために実施しますが、実はアフィリエイターに「活動してもらうため」の要素が大きいのです。
- 提携数・稼働率のアップや、成果獲得などの「課題の克服」ため
- アフィリエイターにやる気になって「活動してもらう」ため
アフィリエイト広告は、アフィリエイターが提携申請をして、紹介をしてくれなければ成果につながりません。
アフィリエイターは複数のASPに登録し、自らの趣味趣向で掲載する広告主を選択しています。同じカテゴリーには多数の広告主がいて、新しいプログラムがスタートすると埋もれていき、御社のプログラムが見つけにくくなってしまいます。つまり、存在を忘れてしまうのです。よほど「この商品が好き」といった趣向に響くか、話題性があって「紹介するだけで売りやすい」といった理由がなければ、継続的な露出は難しいと言えるでしょう。
提携済みでも、安心はできません。広告主と提携関係があっても、紹介までしてくれるアフィリエイターは多くありません。「とりあえず、提携している」というアフィリエイターには、こちらから働きかけないとアクティブになりにくいのです。
まずは御社のプログラムを思い出してもらい、「紹介しよう」と思ってもらうこと。つい目先の課題を優先しがちですが、アフィリエイターを応援する気持ちで、楽しんで活動してもらえる企画をすることも大切なのです。
キャンペーンの目的を明確にする
課題の克服についてASPに相談すると、「とりあえず、報酬アップキャンペーンをしましょう!」と提案されることが多いと思います。
提案そのものは間違いではありませんが、「とりあえず」でキャンペーンをしても良い結果になるとは限りません。振り返りでレポートを確認すると、期間中に提携・稼動数に変化が無く、ほとんど効果が無かった・・・・・・ということもあり得ます。
広告主から寄せられる一番の課題は「成果の伸び悩み」ですが、いきなり成果アップのみを目的にしたキャンペーンをすると失敗しがちです。なぜなら、提携数や稼動率が多くない内に、活動に積極的で成果に貢献できる有力アフィリエイターだけをターゲットにするキャンペーンを実施しても、母数の少なさから効果が見込めないからです。まずはレポートを確認して、提携アフィリエイターの数を増やしたいのか、稼働率を上げたいのか、実績を上げたいのか、キャンペーンをする目的を明確にしましょう。
運用開始から1年の間は、まずはアフィリエイターの提携数を増やすことを目的としたキャンペーンをお勧めします。
目的 | キャンペーン内容 |
アフィリエイト広告のスタート時 | オープニングキャンペーン |
バナー貼るだけキャンペーン | |
提携アフィリエイターを増やしたい時 | バナー貼るだけキャンペーン |
初オーダーキャンペーン | |
報酬アップキャンペーン | |
アフィリエイターの稼働率をアップしたい時 | 初オーダーキャンペーン |
実績・売上をアップしたい時 | 季節イベント・商戦にあわせたキャンペーン |
商品リニューアル・露出にあわせたキャンペーン | |
段階別報酬アップキャンペーン |
アフィリエイトのスタート時
アフィリエイトプログラムのスタート時や、追加で新規プログラムを立ち上げる時におすすめしたいのが、「オープニングキャンペーン」です。
広告主の中には、「できるだけ広告費を抑えたい」「できれば報酬アップはやりたくない」という考えの方もおられます。アフィリエイトでは、成果が発生しなければアフィリエイターへ報酬を払うことはありません。クリック報酬を提供していなければ売れた分だけ払う成果報酬なので、広告が掲載されても、報酬アップキャンペーンを実施しても、実際に注文がなければ払わなくてよいのです。※別途、ASPへの月額固定費は発生します(一部、固定費が無料のASPもあります)。
ただし、この「売れなければ払わなくて良い」といった考えのみでアフィリエイト運用をしていると失敗します。特にスタート時は、そもそも御社を紹介しているアフィリエイターがいません。まずは多くのアフィリエイターに御社のプログラムに気付いてもらい、提携してもらわなくてはなりません。
また、提携してバナーやテキストの広告素材を掲載してくれたからといって、すぐに成果が上がるわけではありません。プログラムスタート時から提携・稼動してくれるアフィリエイターの存在はとても貴重です。やる気を後押しするキャンペーンを企画し、アフィリエイターに選んでもらうための活動をしましょう。
提携アフィリエイターを増やしたい時
有力アフィリエイター目当てにキャンペーンを企画しても、提携数が少なければ大きな効果は期待できません。スタートからしばらくの期間は、まずは提携の母数を増やすためのキャンペーンをお勧めします。
プログラムに気づいてもらい、商品に興味を持って提携してもらうためにもアフィリエイター向けキャンペーンは効果的です。掲載に労力がかからないもの、簡易に成果が獲得できるもの、自己申込でも成果になる・・・などの工夫が必要です。まずはアフィリエイターに興味を持ってもらえて、参加しやすいキャンペーンを企画しましょう。
アフィリエイターの稼働率をアップしたい時
アフィリエイターの提携数が増えてきた次は稼働率です。商品やサービスの紹介につながるようなキャンペーンを企画します。
商品を試さずに記事を書くことは難しいので、実際に試して紹介できるような企画が望ましいです。希望者に抽選でレビュー用に商品提供をしたり、自分で購入して成果報酬としてキャッシュバックされるセルフアフィリエイト(自己申込)の料率をお得にして、アフィリエイターが商品を自己購入してお試ししやすくしてもよいでしょう。自己申込可の場合は、初オーダーキャンペーンがお勧めです。
商品が手元になくても記事を書いてほしいなら、「お店の紹介」をしてもらいましょう。どんな商材を扱っているのか、コンセプトは、今売れているお勧め商品などをアフィリエイター向けメールマガジンで情報提供をしましょう。
アフィリエイト広告経由の実績・売上をアップしたい時
成果獲得につなげるためのキャンペーンの開催時期は、ASPの管理画面や自社サイトの販売傾向を確認して、販売件数が伸びやすい時期を選ぶことが重要です。
アフィリエイト広告は、売れる商品をさらに売ること、売りやすい時期により多く露出することが得意です。例えば、冬の商戦期はクリスマスやお歳暮、お正月などのイベントが多く、販売が伸びていく時期です。おそらく、エンドユーザー向けのキャンペーンも企画されていることでしょう。アフィリエイト向けも同様に、12月に入る少し前、11月中旬から12月末までの1か月半をアフィリエイター向けキャンペーン期間に設定します。開始時期を少し早めにするのは、事前にアフィリエイターに予告して掲載準備を促すためです。エンドユーザー向けキャンペーンの開始より少し前からアフィリエイター向けキャンペーンをスタートすることで、アフィリエイターにページ作成など事前に掲載準備をしてもらいやすくなります。
アフィリエイター向けキャンペーンは、販売件数が伸びやすい時期に実施することでより多くの成果獲得を目指せます。成果報酬でリスクが少ないからと売れない時期にキャンペーンをしても、アフィリエイト広告の特性上、成果につながりにくいのでお勧めしません。
アフィリエイト広告は売りやすい時期に、さらに露出することで効果を発揮します。ショップで売れる時期にアフィリエイター向けキャンペーンをするのがベストです。販売件数が伸び悩む時期には、提携数や稼動数を伸ばすためのキャンペーンをお勧めします。
主なアフィリエイトキャンペーンの種類
アフィリエイターを対象としたキャンペーンの、主なものを紹介します。
報酬アップキャンペーン
「報酬アップキャンペーン」とは、キャンペーン期間中の成果に応じて、通常の成果報酬に上乗せした報酬を支払うキャンペーンです。例えば「通常報酬5%を、期間限定で8%にする」といったものです。さらに報酬を支払うのは・・・と躊躇するかもしれませんが、他の広告と違って、アフィリエイトは掲載のみなら料金が発生しません。アフィリエイターの立場だと、より報酬を得られることは活動のモチベーションになります。「通常は5%だけど、今紹介したら8%になるから紹介してみようかな」と、掲載を前向きに検討してもらえます。報酬アップキャンペーンをすることで、活動に積極的なアフィリエイターに振り向いてもらえる機会が広がります。広告主としても、成果報酬なので「売れた分だけ払えばよい」のは大きな魅力です。以下はキャンペーン例です。
6/1~7/15の期間中、通常報酬5%→8%に
6/1~7/15の期間中 お試しセット初回購入1000円→1500円に
アフィリエイト広告の運用開始と同時に、オープニングキャンペーンとして報酬アップをするのもお勧めです。スタート時は新着プログラムへの掲載だけでなく、通常は有料オプションとなる全アフィリエイター向けのメルマガにも掲載されるなど、ASPが無料で最大限の露出をしてくれます。取り扱う商品やサービス、選択したASPの規模により差はありますが、露出を行うことでより多くのアフィリエイターから提携申請をしてもらえる可能性が高まります。スタートしたばかりは提携の母数も少なく、紹介も進んでいません。はじめたばかりの段階で提携・紹介をしてくれたアフィリエイターは、たとえ期間中に成果が発生しなくても御社にとって優良なアフィリエイターとなる可能性があるのです。
バナー貼るだけキャンペーン
「バナー貼るだけキャンペーン」は、広告主のバナーリンクを指定期間に掲載するとボーナスがもらえるキャンペーンです。あまり労力をかけずに成果が獲得できるので、特に初心者のアフィリエイターから人気があります。このキャンペーンは確実に期間中の提携数・稼働率アップが見込めるキャンペーンと言えますが、いくつか注意点があります。キャンペーンに参加するアフィリエイターは、広告主の商品に興味があるというよりは、「ボーナスがもらえるから掲載する」という場合が多いです。そのため、キャンペーンの期間中だけバナーを掲載し、キャンペーンが終了したらはがしてしまうといったことが起こりやすく、継続的な紹介につながりにくいのです。バナー貼るだけキャンペーンは、セールや福袋などのクリック率が高い素材にするなど、使いどころを限定して利用することをお勧めします。以下は、期間や対象を限定したキャンペーン例です。
「先着300名様限定、バナー貼るだけボーナス100円」のように、掲載上限を設ける
「6月1日から7月31日まで掲載」と、掲載期間を設ける
「ファッションカテゴリーのアフィリエイトサイト」のように、掲載カテゴリーを限定する
初オーダーキャンペーン
「初オーダーキャンペーン」は、それまで実績がないアフィリエイターでも、1件でも成果が上がればプラスのボーナス報酬を得ることができるキャンペーンです。
個人的に好きなキャンペーンのひとつで、特に自己申込を可にしている場合は「自分で申し込んでみて、よかったら紹介記事を書こう」と考えるアフィリエイターに、御社商品に興味を持つきっかけになるのでお勧めです。「まずは多くのアフィリエイターに興味を持ってほしい」といった時に適しています。
まだ一度も成果の発生していないサイト様に、初オーダーが発生したら通常報酬にプラスして1000円のボーナス
2022年6月~2023年5月の1年間で成果が発生していないサイト様にオーダーが発生したら、通常報酬にプラスして500円のボーナス
段階別報酬アップキャンペーン
成果獲得を高めるために、提携済みの有力アフィリエイターに限定したキャンペーンなども実施できます。以下は、件数獲得のモチベーションを高める段階別キャンペーン例です。
獲得件数に応じた特別成果報酬を提供します。
0~9件は通常報酬で1,000円
10~25件は特別報酬で1,500円
25件以上は特別報酬で2,000円
キャンペーン期間中に成果を10件以上発生させたらボーナス10,000円
段階別キャンペーンは毎月コンスタントに成果を発生させている、積極的に紹介しているアフィリエイターにとって、さらにプラスの成果が得られるので人気があります。ただし、成果達成までのハードルが高いので、そもそも初心者や紹介を開始したばかりでは達成が難しく、有力なアフィリエイターと提携が少ない段階で企画しても大きな効果は見込めません。全体の底上げではなく、特定の有力アフィリエイターとの連携を強化したい時に活用しましょう。
商品限定の報酬アップキャンペーン
季節商品や期間限定商品など、特定商品のみに限定した報酬アップキャンペーンです。一商品や、同一カテゴリーのみで実施することもあります。「在庫品を売り切りたい」というよりも、「今、一番売れる・売りやすい商品」を、より多くのアフィリエイターに紹介してもらうために企画します。
※ASPによっては全体の報酬アップのみが可能で、個別商品の報酬アップを設定できない場合があります。
新生活特集カテゴリー掲載商品のみ、通常報酬5%→10%
レイングッズのみ、通常報酬2%→5%
アフィリエイターにとって魅力あるキャンペーンとは
提携数を増やしたいなら、「これをすれば、確実に報酬がもらえる」といったハードルの低いキャンペーンから企画します。提携・稼動数を増やすだけならクリック課金型のキャンペーンですが、個人的にはクリック課金はお勧めしていません。短期間ならともかく、不用意な送客が増えてしまう可能性が高いので「質は問わないから、とにかくこの期間内にクリック率をあげないといけない」といった特別な事情がある場合だけに限定することをお勧めします。
また、多くの件数を獲得しないとボーナスがもらえないキャンペーンは、そもそも条件をクリアできるアフィリエイターが少なくなります。アフィリエイター全体の底上げにつながりにくいので、初期に行うキャンペーンとしてはお勧めしません。「既に掲載済みの有力なアフィリエイターにより活動してほしい」という場合は、「一人のアフィリエイターのみに特別単価(特単)」として報酬アップするなど、個別対応することも検討します。
アフィリエイト広告では、現状や課題により「一律に報酬アップ」ではなく、目的に沿って企画することが大切です。何より、アフィリエイターに喜んで参加してもらえるキャンペーンにしたいものです。例えば新商品の発売時や、テレビで紹介された時など、「今、まさに売れる時」に注目してもらうために企画するのです。
アフィリエイターが紹介してくれた記事は、多くの場合、広告主がアフィリエイト広告を終了しなければ掲載し続けてくれます。アフィリエイターにとって魅力あるキャンペーンを企画することで、優良な紹介をしてくれるアフィリエイターを増やしてくことができます。「課題があるので、とりあえず」ではなく、目的に合わせて定期的に、継続して運用していくことが大切なのです。
アフィリエイター向けキャンペーンは、サポートでも数多く取り上げている重要な施策です。どんな取り組みができるのか、ご興味がありましたらこちらからお問い合わせください。お待ちしています。