【広告主向け】アフィリエイターに支払う成果報酬の考え方

成果報酬の考え方

成果報酬は、アフィリエイターの活動のモチベーションとなる重要な要素です。手数料や利益を加味して、無理なく運用を継続できるように設定しましょう。

アフィリエイターに支払う成果報酬はいくらにすべきか

「アフィリエイターに支払う成果報酬は、どのぐらいに設定したらよいですか?」は、アフィリエイト広告運用で筆者がよく聞かれる質問のひとつです。
もちろん、商材やサービス・同業他社がどのように運用しているのかによるので、一概にこのぐらい・・・とお伝えするのは難しいのですが、まずは「上限の半分を目安に」とお伝えしています。

例えば、商品がトライアルセットで「新規購入1件につき、1,000円まで支払いが可能」だとします。この場合、成果報酬は「半分の500円」にします。
どの商品が売れても「定率10%まで支払いが可能」だとします。この場合なら、成果報酬は「半分の5%」にします。

これは、アフィリエイトプログラムに公開される、一般のアフィリエイターに提供する報酬になります。残りの半分は、有力なアフィリエイターに少し高めの成果報酬を提案したり、商戦期に合わせて報酬アップキャンペーンを実施するために活用します。
最初から上限に設定してしまうと、今後の施策がしにくくなるので、あえて半分にしておくのです。

もちろん、商材やサービスによりアドバイスは変わります。同業他社と比べて見劣りしない額であることも必要なので、あくまで目安として「上限の半分」と覚えておくとよいでしょう。

成果報酬は「新規獲得にいくら使えるか」を考える

アフィリエイト広告の成果報酬は、アフィリエイターの活動のモチベーションとなる重要な要素のひとつです。安易に「とりあえず、このぐらいで」と低めに設定してしまうと、提携してくれるアフィリエイターが増えなかったり、広告を貼ってもらえなかったりする場合があります。
また、逆もしかりで「とりあえず、高めにしておこう」と高額でスタートすると、想定以上の送客があったときに困ることになります。

成果報酬は、一度設定するとすぐに修正することはできません。アフィリエイターと提携時に契約しているものだからです。
報酬額を修正するには、ASPへ連絡後、提携済みアフィリエイターへ「報酬額の設定の見直しをします」と事前に通知し、契約内容が変更になることを周知するための期間をおいた後に修正となるのが一般的です。できればたびたび修正をしないですむように、慎重に決めておきたいものです。

つい「10%ぐらい」「他社平均で」「同業より少し高めに」といった理由で決めてしまいがちですが、新規顧客の獲得を期待するなら、新規獲得にかける費用はどのぐらいなのかを考えて額を決定するとよいでしょう。

アフィリエイターにわかりやすいルールにする

アフィリエイターが受け取れる報酬には、定率と定額の2つがあります。

  • 定率……「商品が1つ売れたら商品価格の10%を支払う」と定率で支払う方式
  • 定額……「1クリックにつき1円」「会員登録につき100円」「資料請求1件につき1,000円」と定額を支払う方式

ASPにより、定率と定額を組み合わせた設定ができるところもあります。

定率と定額を組み合わせた例:

  • 初回限定お試しセット購入……1件/1,000円 + お試しセット以外の商品購入につき定率3%
  • 新規会員申込み……1件/500円 + クリック報酬 1クリック/1円
  • 商品購入……商品購入につき定率10% + 会員登録1件/50円

ASPによっては、1つのプログラムに1つの報酬しか立てられない場合もあります。それでも定率と定額、2つのゴール設定を行いたければ、定額のプログラムと合わせてもう1つ定率のアフィリエイトプログラムを立ち上げます。つまり、ASPの中で2つのプログラムを同時に走らせる方法です。

ですが、このプログラムを分ける方法はアフィリエイターからあまり評判がよくありません。2つのプログラムにまたがって成果が上がった場合に、広告主側の運用ルールによって、どちらかの成果がキャンセルになる可能性があるからです。
わかりにくい条件は、アフィリエイターの信頼を損ねます。優良なアフィリエイターから選ばれるためには、シンプルな報酬設定が好まれます。何より、成果につながりやすい報酬条件を用意することが大切です。

アフィリエイトの成果報酬は、3種類

アフィリエイトで何を成果とするかは、大きくわけて3種類あります。

  • クリック報酬……バナーなどの広告がクリックされた時点で成果となる
  • リード系……メールマガジンの登録、資料請求、会員登録、オンラインでの見積り、サービス予約など、見込み客を獲得した時点で成果となる
  • 売上型……商品購入やサービスの利用申し込みが成果となる

アフィリエイターが広告主を選ぶ基準は魅力ある商材はもちろん、成果条件に注目します。提携数を伸ばしたい場合は、成果の到達までの難易度の低い方が増える傾向にあります。

上記の例だと、送客するだけで成果につながるクリック報酬や、メールマガジン登録で成果となるリード系は難易度が低いと言えます。成果到達の難易度の低いということは、「送客をすればよい」といった考えのアフィリエイターが集まる可能性もあります。この二つを選択するなら提携承認は手動に設定し、カテゴリーが合う・優良な送客の見込みがあるアフィリエイターのみと提携することは必須です。個人的にクリック報酬を積極的に勧めすることはありませんが、設定をしなければならない場合の注意点を共有します。

クリック報酬で注意すること

導入例としては、短期間で多くの送客を集めないといけない後発プログラム、多くの面を押さえたい場合ではないかと思います。

クリック報酬は、バナー素材をクリックした時点が送客のゴールとなります。難易度が一番低いため、ポイントサイトなど大量の送客が見込まれるサイトに掲載されると、短期間で予想以上の費用が発生する可能性があります。このため、クリック報酬を導入している広告主は「ポイントサイトへの掲載は不可」としている場合が多いです。

また、クリック(送客)はあるのに、その後の会員登録や商品購入につながらない・・・といった問題が発生する可能性があります。

導入するなら、

  • 大手のポイントサイトなど、大量の送客が見込まれるサイトにはクリック報酬を提供しない
  • 毎月、成果確定前にアフィリエイト別レポートを見て、会員登録や購入に結び付いてないサイトがいないか確認する

などの対応が必要です。

例えば、広告の表示回数とクリック数が同数程度の場合は、有効な送客がされていないと判断して提携解除などの措置をとりましょう。

リード系で注意すること

リード系は、成果の設定次第で「会員登録は増えたが、サービス利用者は増えなかった」といったことも起こりえます。

例えば「メールマガジンを登録したら、1件につき100円の成果報酬」と設定したとします。
メールマガジンに登録するだけで100円の報酬が受け取れて、さらに自己申込も可能であれば、自分で申し込むことはもちろん、第三者情報のなりすましが起きることも考えられます。つまり、サービス利用を目的としていない登録が増える可能性があります。

これらを除外するためには、まずは「自己申込を不可」にすること。家族で複数人からのエントリーも考えられるので、「同一IPからの登録不可」「同じ住所からのエントリーは不可」といった仕組みでカバーする必要があります。

もちろんサービス内容により異なりますが、筆者ならメールマガジン登録だけでなく「サービスの利用の申し込み」までを成果とするようにお勧めすることが多いです。成果の難易度は上がりますが、不用意な送客を減らす効果があるからです。

ASPの手数料を加味して、長く運用を続けられる報酬設定にする

アフィリエイターが受け取る成果報酬は、アフィリエイト広告運用を行う上で、重要な決定事項のひとつです。
ASPの利用には、アフィリエイターに支払う成果報酬の他に、月額固定費や、1件あたりの成果に対して手数料が発生します。ASPへの手数料、費用や利益を加味して、無理なく運用を続けられるよう、何よりアフィリエイターにとって魅力あるプログラムを提供できるように心がけて設定することをお勧めします。

成果報酬は商材やサービス、運用予定のASPによっても事情が変わるので、一般的なアドバイスが難しい項目です。あくまで考え方や目安としてご参考ください。「さらに詳細な情報を知りたい」「相談したい」という場合は、こちらからお問合せください。御社に最適な報酬設定を一緒に考えていきましょう。