アフィリエイト広告では、広告主は選ばれる立場です。既存の広告とアフィリエイトの違いをわかりやすく解説します。
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アフィリエイト広告とは。広告主、アフィリエイター、ASPの3者が登場
アフィリエイト広告とは、成果報酬型の集客手法です。費用対効果が高いことから、中小企業から大手メーカーまで活用しています。
アフィリエイト広告では、「広告主」「アフィリエイター」「ASP」という3者が登場します。
- 広告主……アフィリエイト広告を利用し、プロモーションを行います。「EC」「マーチャント」などとも呼ばれますが、ここでは「広告主」とします。
- アフィリエイター……ホームページやブログなどの媒体を持ち、広告主が提供する広告素材を利用します。法人だけでなく個人も含め、さまざまなサイトがASPに登録されています。「媒体」「パブリッシャー」「AS会員」など、ASP独自の呼び方もありますが、ここでは「アフィリエイター」とします。
- ASP……成果報酬型広告を配信しているアフィリエイト・サービスプロバイダーです。「ASP」と略されています。
アフィリエイターは、広告を掲載しただけでは報酬は発生しません。アフィリエイトサイトに掲載された広告をクリックして、見込み顧客が自社ショップサイトに来た場合も、クリック報酬を設定していない限り、来ただけでは報酬は発生しません。商品購入や資料請求など、広告主が設定した成果となる行動をユーザーがすることで、初めて報酬が発生します。
広告主としては、様々サイト運営しているアフィリエイターに掲載されることで、自社では想定していなかった潜在的に商品に興味を持つ層に到達できる可能性があります。売上に応じてアフィリエイターへの支払額が決定するので、成果に連動せずに広告費が決まる他の手法に比べて、費用対効果が高いと言われています。
既存の広告とアフィリエイトの違い
一般の広告は、媒体側が掲載条件を決定します。広告主はそれらの条件を見比べて選択し、条件に合致すれば広告を掲載することができます。
しかし、アフィリエイト広告では掲載条件を決めるのは広告主です。掲載条件とは「成果報酬10%」「再訪問期間は30日」など、アフィリエイターが成果報酬を受け取るためのルールです。
条件を見たアフィリエイターが、「この広告を掲載したい」と広告主へ掲載申請します。広告主が掲載してもよいと判断すれば「提携関係」となり、アフィリエイターは広告を掲載できるようになります。
この「提携関係」は、掲載を約束するものではありません。アフィリエイターが、自ら掲載しようと思ったタイミングで広告を掲載していきます。
既存の広告 | アフィリエイト広告 | |
広告掲載の選択 | 広告主が決定 | アフィリエイターが決定 |
広告の価格決定 | 媒体が決定 | 広告主が決定 |
報酬が発生する時 | 広告を掲載する時 | 成果が発生した時 |
つまり、他の広告のように掲載費用を支払えば掲載されるのではなく、掲載の意思決定はあくまでアフィリエイターにあるということです。ここを理解することで、アフィリエイト運用を長く活用することができます。
アフィリエイターのモチベーションを理解し、維持する
アフィリエイト広告は「成果が発生した時だけ支払いをすれば良い」という、費用対効果の高い部分だけが注目されがちです。広告主から見ると「送客してもらっても、売れなければ広告費を払わなくても良い」とも考えられます。広告主から見ればこれほど都合の良い広告はありません。
ですが、アフィリエイターの立場になると、どんなに送客しても成約につながらなければ1円にもなりません。「どんどん紹介して、送客だけしてくれればいい」といった対応をしていると、積極的に紹介してもらえなくなります。
アフィリエイターは稼ぎたくて活動しています。趣味の延長で楽しみながら活動している方もたくさん存在しつつ、その多くが成果報酬を大きなモチベーションにしています。この、アフィリエイターのモチベーションを理解して、活動を応援しつつ関係性を維持していくことが、アフィリエイト広告で成功するために最も必要な活動となります。
不可欠な、広告主からのアフィリエイターへの情報提供
アフィリエイト広告がスタートし、有力な付加価値をつけて紹介してくれるアフィリエイターとも出会うことがあるでしょう。今後も長くよい関係を築くには、アフィリエイターへ情報提供が欠かせません。
アフィリエイト広告は比較的元手を掛けずに始められるので、費用対効果の高いうまみだけを見込んでスタートしてしまうケースが多く、実際にやってみると予想以上に多くの運用工数がかかり「負担が大きい!」と感じてしまうこともあります。
事業をスタートして、アフィリエイトだけを利用することはおススメしません。まずはリスティングなどから、見込み顧客がどんなキーワードで興味を持ち、どんなきっかけで商品を買うのかを理解してから「さらに2割、売上を伸ばすために」アフィリエイト広告を選択するぐらいがベストです。
なぜなら、有力なアフィリエイターとコミュニケーションをとり始めると、「どの時期に、どの時間帯によく商品が購入されますか?」「他社との違いは何ですか?」「お客さんがあなたの商品を買う理由はなんですか?」など、代理店や販社の方々と同様の質問をされるようになるからです。
アフィリエイターはこれらの情報を元に、選択して、自身のサイトやブログに親和性の高い商品を紹介していきます。つまり、広告主側からの情報提供によって掲載につながるのです。
もちろん、既に話題性のある知名度の高い商品であれば、アフィリエイターとのコミュニケーションに大きな工数をかけなくても成功することもあります。
売りやすい、売れている商品をより多く売るのがアフィリエイターの得意としていることなので、基本的に売れない・誰も知らない商品を積極的に紹介することはありません。まずは広告主側が「どんな人に好まれる商品なのか」「どうやったら売れるのか」を、積極的に情報提供する必要があります。ここが、アフィリエイトの難しいところであり、面白いところです。
アフィリエイト広告では、広告主は「選ばれる立場」
アフィリエイト広告では、広告主は選ばれる立場です。
条件が合えば報酬を支払えば掲載してもらえる既存の広告と違い、アフィリエイトは広告主が「広告を掲載してほしい」と依頼しても、アフィリエイターが掲載したいと思わなければ広告を掲載してもらえません。
成果を上げていくには、まずはアフィリエイターに選ばれなければなりません。アフィリエイターに掲載してもらえるように、コミュニケーションや情報提供を継続して、選んでもらうための活動をしていきましょう。