成果確定でアフィリエイターから信頼を得るためのコツと、不正注文が発生した場合の対応を共有します。
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アフィリエイトにおける成果の「未確定」「成果確定」とは
アフィリエイト広告の「未確定」とは、アフィリエイター経由で注文が発生したけれど、広告主がアフィリエイターに成果を支払う作業を行っていない段階のことを言います。
アフィリエイターは自らのWebサイトやブログにユーザーを集客して、ECサイトへ送客し、成果が発生したとしても、その時点ではまだ収入になりません。まずは「未確定」となります。ほとんどのASPでは即日・または翌日以降に、どの広告主から注文が発生したのか、いくらの報酬が受け取れる見込みがあるのか、アフィリエイト管理画面の「未確定レポート」で確認することができます。
未確定レポートの例
表示回数 | クリック数 | 注文数 | 注文金額 | 未確定報酬額 | |
5月1日 | 88 | 3 | 0 | 0 | 0 |
5月2日 | 40 | 2 | 0 | 0 | 0 |
5月3日 | 59 | 1 | 0 | 0 | 0 |
5月4日 | 299 | 7 | 1 | 9,800 | 980 |
5月5日 | 134 | 3 | 0 | 0 | 0 |
アフィリエイター側の管理画面では、「未確定報酬額」が「未確定」として表示されています。
広告主が成果確定を行うと、この「未確定」が「確定」となり、アフィリエイターの収入になります。アフィリエイターが心待ちにしている瞬間です。
広告主はお客様の注文に商品を発送して、受け取りとキャンセル期間が終了して入金が確定したら「成果確定」を行います。できる限り待たせずに成果確定をすることが、アフィリエイターから喜ばれて信頼につながります。
アフィリエイター側の管理画面では、どの広告主から、何月何日に未確定が発生したかをレポートで確認できます。
特別な理由もなく、長期間に渡って未確定のまま放置してしまうと「この広告主は確定作業が遅いのでは・・・」「確定してもらえないのでは・・・」という印象を与えてしまいます。場合によっては、成果確定をスムーズに対応している同業他社の広告主がいたら、リンクを貼りかえてしまうこともあります。
プログラム詳細に確定期間の目安(例:30日など)を入れることができますので、この期間内に必ず処理を行います。確定期間に合わせて月1~2回、期日を決めて対応することをお勧めします。一部のASPでは、成果確定用にCSVによる一括アップロードに対応しています。注文数が多い時、まとめて成果確定をしたい時におすすめの機能です。
成果確定の注意点
成果確定は、確定期間に合わせて、月に1~2回対応日を決めて作業することをお勧めします。例えば、「毎月第二・第四の木曜日に対応する」「月末締め日に合わせて対応する」といった具合です。
アフィリエイターのために早く成果確定をしたいからと、商品発送のたびに成果確定をしていると問題になるケースもあります。事例で見ていきましょう。
エステや美容院、面談など、来店を成果とする場合
注文が発生してから実際の来店まで期間がある場合、未確定のまま長期間待たせてしまう可能性があります。例えば「注文後30日以内の来店」とルールを決めておき、「期日内に来店履歴がなかった場合はキャンセルとして扱う」といったことも検討する必要があります。
アフィリエイターからするとせっかく送客してもキャンセルとなってしまう可能性がありますので、早目の来店を促す工夫をしていきましょう。
商品注文の場合
お客様都合によるキャンセルが発生した場合、アフィリエイトの成果もキャンセルする「入金確認後、キャンセル期間の終了後の成果」とするなら、あらかじめルールをプログラム詳細に記しておきましょう。
アフィリエイターからすれば、商品発送後のキャンセルはショップの都合では・・・と思われがちです。できるかぎりキャンセルにならない工夫をすることもですし、事前にルールを提示しておくことが大切です。
旅行の予約など、実際の利用日までの期間が長い場合
海外旅行など、注文から利用されるまで期間が長い商品もあるでしょう。その場合、たとえば確定予定を90日と長めに設定しておき、「利用日」以降に確定処理を行います。ASP推奨の確定期間より長くなるので、プログラム開始時にASPに相談して決定します。
ルールを決めたら、プログラム詳細に追記してアフィリエイターに周知をしておきます。利用後は、待たせしているアフィリエイターのために速やかに確定処理を行いましょう。
放置はNG。自動確定で全て成果となる場合も
ASPでは、成果が発生してから成果報酬が自動的に確定となる期間を定めています。アフィリエイターを待たせすぎないために、広告主が確定を放置をしていても「成果が発生した日から45日」のように、自動で確定されるように設定されています。
自動確定の日程が近くなると、ASPの管理画面に「確定処理をしてください」と警告が出ることもあります。アフィリエイターのためにも、期限内に対応することを心がけましょう。
※来店や旅行など、確認に一定の期間が必要なプログラムもありますので、その場合は先の「利用日までの期間が長い」ことをASPの担当者に共有して調整します。
プログラム詳細に書いておきたい注意点の例
成果を否認する場合の条件は、プロブラム詳細に提示しておきましょう。一般的な記載例をご紹介します。
- 成果報酬:商品購入の10%
- 成果条件:Web注文後、30日以内の入金確認
- 否認条件:返品、キャンセルが発生した場合、定期商品受領の延期や受取拒否、返金保証を利用した場合、リスティング違反の場合
- リスティングNGキーワード:社名、サイト名、商品名を含む固有名詞ならびに関連キーワード(打ち間違い、表記違いを含む)
キャンセルのルールを明確にする
アフィリエイターにとって、成果キャンセルはブラックボックスです。成果をキャンセルする場合は、明確な理由が必要です。以下のようなものが該当します。
- 二重注文
- 空注文
- 届け先の住所などが不明
- 発送前のキャンセル
- 品切れ
- 返品
「二重注文」は、注文確定のサンクスページでユーザーがプラウザーの「戻る」ボタンを押すといった行動で発生する場合があります。この場合は、2件のうち1件を成果として確定を行います。
また、広告主が複数のASPを利用していて、商品購入者が複数のWebサイトを閲覧して商品購入に至った場合、まれに複数のアフィリエイトサイトで成果としてカウントされる事象が発生することがあります。
ほとんどの広告主は、最後の送客を行ったサイト(ラストクリック)に対して成果確定をしています。
これについては、アフィリエイターから様々な意見が出ています。いくつかの個人が運営するレビューサイトを経由して、最後に価格比較サイトやポイントサイトから購入に至るケースもあり、どのアフィリエイトサイトも送客の手助けをしてくれたことに変わりはありません。個人的には、送客に関わった全てのサイトを評価していただきたい思いもありますが、まずはあいまいに行わず、ルールに沿って正確な確定処理(またはキャンセル処理)をしましょう。
事前に周知をしなかった例として、年末に福袋の販売をしたショップが、後から「福袋は成果対象から外します」と一方的に(アフィリエイターからはそう認識されます)ルールを追加して、成果をキャンセルするといった対応を行ったことがありました。アフィリエイターの信頼を損ねる行為で、ルールの提示は事前に行うべきです。
過去には、残念ながら非常に不誠実な対応をしていた広告主もいました。管理画面の先にアフィリエイターという人がいることを認識していない対応で、本来あってはならないことです。
成果のキャンセルは、送客に協力してくれたアフィリエイターに「あなたに成果報酬を支払いません」と告げる行為です。アフィリエイトを利用する広告主なら、できる限りキャンセルを減らす取り組みが必要です。
筆者がギフトメーカーの広告主だった時は、月の確定処理でキャンセルは多くはなかったのですが、一部「戻る」ボタンによる2重計上があったので、「いつもご紹介をありがとうございます。〇〇な理由で、2件の成果のうちの1件をキャンセルさせていただきました。引き続きご紹介をいただけたら嬉しいです。」と、個別にメールで理由をお知らせしていました。個々の対応は難しいかもしれませんが、万が一アフィリエイターから問い合わせがあった時に明確に回答できるようにしておきたいものです。
不誠実な対応はアフィリエイターの不信につながります。キャンセルをしなければならない時は、ルールに沿って正しく行いましょう。
不正注文と防止策について
アフィリエイト広告では、残念ながら不正な注文が発生することがあり、それを完全にゼロにすることはできません。起こりうることだと理解し、普段からレポートをチェックして異常なクリックが発生していないか、成果確定時に付け合わせをしましょう。
会員登録・資料請求のプログラムの場合
同一人物に繰り返し登録される場合は、同じメールアドレスによる繰り返しの申し込みを禁止する、フリーメールアドレスでの登録を禁止する、住所や電話番号での重複チェックをするなどで、不審な注文をある程度減らすことができます。ソーシャルログインにするのも有効的です。
不正注文について
発送先住所が存在しない、商品を代引きで発送したのに受け取ってもらえないなどがあります。注文確定を商品発送時にせず、発送から一定の期間をおいて、返品がないことを確認してから成果確定を行いましょう。
アフィリエイターが自ら申し込む自己申込を可にしていて「成果報酬率は50%」のように高額に設定している場合、実質的に値引きになることから、アフィリエイト広告を利用して繰り返し注文される可能性もあります。「初回購入時のみ」「同一住所は一回のみ」といったルールを設け、1回のみの成果とし、二重成果が発生しないようにしましょう。
クリック報酬を設定している場合
クリック報酬を設定していて、自己申込を禁止しているにも関わらず、広告表示回数と同数以上のクリックが発生していたら要注意です。例えば月間の広告表示回数が100なのに、クリックも100以上発生していたら、自己クリックでクリック報酬を不正に得ようとしている可能性があります。
前月以前のレポートもチェックし、アフィリエイターに「どのような集客方法を取られていますか?」と回答期日を区切って問い合わせをして、明確な回答がない場合や、繰り返し悪質だと判断できたら提携解除を行うなど対処が必要です。
以前もお伝えしましたが、クリック報酬は非常に注意が必要な成果報酬です。プログラム詳細と、アフィリエイター向けメールマガジンで定期的に「自己クリックは禁止です」「発見した場合は、即時で提携解除をさせていただく場合があります」と、ルールを周知しましょう。
即提携解除ではなく、成果を保留して返信期日を設けて問い合わせを
レポートから不審なアフィリエイターを発見したら、「不正かもしれない」という思い込みで即提携解除を行うのではなく、返信期日を設けてアフィリエイターに問い合わせをすることをお勧めします。返信期日は中3日~5日程でよいでしょう。その時は、成果確定・キャンセルはいったん保留します。期日内に返信がなかったり、ルールに沿っていないと判断できたら成果をキャンセルし、提携解除を行います。
アフィリエイターがルールを理解せず、うっかり・・・ということもあり得ます。まずはプログラム詳細にわかりやすくルールを明記して、定期的にアフィリエイター向けメルマガなどで周知していきましょう。
アフィリエイターからの問い合わせがあれば、誠実に対応を
成果確定について、アフィリエイターから問い合わせが入ることがあります。例えば、自己申込可のプログラムで「セルフアフィリエイト(自己申込)を利用したのに、成果がキャンセルになったので調べてほしい」といったケースです。
トラッキングエラーなどで注文が反映されていない、万が一のミスで否認してしまった場合は、後から「注文があった」という実績を作る(注文作成)ことができます。アフィリエイターの登録IDを確認し、注文・発送・入金の履歴を付け合わせて、確かに注文発送があったことを確認できたら、注文作成と確定処理を行います。
筆者も、アフィリエイターとして広告主に問い合わせをしたことがあります。丁寧なメールと共にすぐ注文作成と成果確定をしてくれたことで、その広告主に対する信頼が高まり、数年たった今も紹介を継続しています。広告主にとってはただの1件の成果ですが、その先に個々のアフィリエイターがいます。信頼を得ることで、積極的に紹介をしてもらえることもあるのです。
アフィリエイターから信頼を得るには、まずはできる限りキャンセルを減らす取り組みを行うこと。キャンセルしなければならない場合は、ルールに沿って明確に行うこと。「注文確定」と「成果のキャンセル」は特に慎重な対応が必要となりますので、アフィリエイターに対して誠実であることを心がけましょう。