ASP管理画面のレポートの月別、日別、アフィリエイター別のレポートを使って、課題を見つける方法をわかりやすく解説します。
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アフィリエイトASPが提供している主なレポート
アフィリエイト広告のASPが提供している管理画面のレポートは、月別、日別、アフィリエイト別レポートなどがあります。他に広告素材別や、商品別成果レポートを提供している場合もあります。
アフィリエイト広告を運用中の広告主から、「レポートをどのように活用したらよいのかわからない」「レポートから情報を読み取りたい」といったご相談を頂きます。ASP管理画面のマニュアルは表記の説明が主で、数字をどのように読み取るか、課題の見つけ方といった活用方法はあまり言及されていません。
ASPから提供されるレポートは、運用の結果であり、全体の状態を確認するためのものです。
成果確定件数やクリック数の増減だけでなく、広告主が設定した各種の条件に基づく成果や、アフィリエイト別の成果、商品別の成果など、様々な情報が含まれています。つい毎月の成果確定件数やクリック数の増減に一喜一憂しがちですが、レポートから広告主が抱える課題を読み取って、日々の運用に活用していくことが大切です。
ASPのレポートは機能差があるので、一般的な月別レポート、日別レポート、そしてアフィリエイト別レポートについてわかりやすく解説します。
「月別レポート」で全体感を把握
全体を把握するのに適しているのが「月別レポート」です。総合レポートと表記されていることもあり、多くのASPで実装されている定期的に見ておきたいレポートです。
提携済みのアフィリエイターの数が「提携数」、 アフィリエイターがバナーやテキストの広告を掲載して紹介している数が「稼働数」、この2つがアフィリエイトの大事な指標です。アフィリエイトをスタートしたばかりはそもそも提携数が少ないので、まずは提携数を伸ばすことを目標に運用します。ASPのレポートは月初めに0からスタートするので、月初めに先月分の提携数と稼動数の進捗を確認しましょう。
月別レポートは、前後の月と比較することで「キャンペーン施策を行った月のクリック数、販売額は伸びているか」といった、報酬アップキャンペーンを行わなかった場合の差違を見ることができます。また、どの月にアフィリエイター向けキャンペーンを実施するのが適しているのか、どのキャンペーンが提携数増につながったのか、セール時期の露出を目的としてアフィリエイト向けキャンペーンを行った場合なども、「実際の効果」「前年比」といった情報を月別レポートから読み取ることができます。
「日別レポート」で個別の確認
次に「日別レポート」です。日別レポートは日々の成果件数だけでなく、何かしら問題が発生した可能性を見つけることができます。
インプレッションが大きく伸びていたら、有力なアフィリエイトサイトに掲載された、アフィリエイター向けにメールマガジンを配信後に掲載が増えた・・・などが予想できます。
一部のASPでは、アフィリエイターに割り振られた「アフィリエイトID」単位でも日別レポートの確認ができます。「アフィリエイトID」ごとに確認することで、たとえば大手法人アフィリエイトサイトがメールマガジンを発行した、トップ枠に露出した・・・など、アフィリエイターごとに効果を検証することができます。
広告の表示回数であるインプレッション数に比べて、あきらかにクリック数やオーダー件数が多いなど、急激な成果があった場合は注意が必要です。この場合、前後の日付に注目して原因を探ります。
アフィリエイトIDの日別レポート、活用例
アフィリエイトIDとは、アフィリエイターに割り振られるIDのことで、一部のASPでは、アフィリエイトID単位でも日別レポートの確認ができます。アフィリエイターごとに効果を検証することができます。
日別レポートで前後と比較して急激に成果が伸びた場合、全体的に伸びたのか、個別のアフィリエイターからなのかを確認します。有力サイトの掲載やキャンペーンの効果測定だけでなく、不正注文やルール違反と思われる動きを成果確定前に調査することが可能です。特にクリック報酬をつけている場合は「インプレッションとクリック数の数字にほぼ差がない」等も、レポートから発見できます。
インプレッションやクリックが発生した日を表示して、特定のアフィリエイターから成果が急激に伸びた傾向があれば、掲載内容を目視して、ルール違反をしていないか、問題ある表現で誘導していないか確認します。
アフィリエイトIDの日別レポートで問題点を探る
例えば、広告主側の提携条件で「アフィリエイターのリスティングなどの広告出稿禁止」としているなら、土日や年末年始やゴールデンウィークなどの大型休暇の時しか成果が発生していない場合は要注意です。広告主が禁止としていても、営業時間外にリスティングなどの広告を出稿している可能性があるからです。
「日別レポート」で疑いを見つけたら、どのような紹介をしているのかアフィリエイトサイトを個別に確認します。リスティングで集客していると予測される・どうみてもすぐに成果が発生しないであろう紹介方法をしている場合は、成果確定・キャンセル作業を保留して、ASPに「不可解な成果が上がっていて、リスティングによる集客の疑いがあるので調査をしてほしい」と問合せをしましょう。アフィリエイターに直接連絡が可能な場合は「集客方法について確認したい。○日までに返信を」と、期日を区切って問合せをしてもよいです。期日内に返信がなく、運用ルールを守っていないと判断されれば保留していた成果をキャンセルし、ルールを守るように伝えても繰り返すようであれば提携解除を検討します。
一方的に疑わしいからとキャンセルしてしまうのではなく、アフィリエイトを運用するなら「起こりえることもある」と認識して対応していきましょう。
「アフィリエイト別レポート」で有力アフィリエイターを見つける
アフィリエイト別レポートは、自社のプログラムと提携済みで、バナーやテキストの広告素材を使って紹介しているアフィリエイターを一覧で表示できるレポートです。多くのASPで実装されており、デフォルトでは成果報酬額の順に並んでいます。
どのアフィリエイターが送客に貢献してくれているのか、毎月コンスタントに成果に貢献してくれるアフィリエイターは・・・といったことが読み取れます。
プログラムと提携済みであっても、バナーやテキストの広告素材を掲載していなければアフィリエイター別レポートには掲載されません。そのため、提携数と比較して表示数が少ない傾向があります。たとえ成果が0であっても、掲載されている広告が表示されればレポートに反映されます。
ASPにより、登録アフィリエイトサイトごとに個別に確認するものと、A8.netのように一人のアフィリエイターが管理する複数のアフィリエイトサイトを「ひとつのアフィリエイトID」として表示する場合があります。レポートはASPにより異なりますので、今からはじめるなら「必要なレポートが実装されているASPを選択する」ことも視野に入れたいところです。
アフィリエイト別レポートは、個人的に最も活用しているレポートです。バナーの表示回数が多いのにクリックにつながっていない、クリックは発生しているのに成果につながっていない・・・など、アフィリエイトサイトごとに課題を見つけて、サポートすることで成果獲得につなげていくことができます。優良な紹介をしてくれている上位のアフィリエイターに「特別報酬(特単)の提供を提案する」「固定広告の調整をする」など、露出アップや注力して活動してもらえるように促すことで、より成果に貢献してもらえる可能性を高めることができます。
個別の成果報酬アップなどの予算が掛けられない場合は、成果獲得したアフィリエイターに「今月もご紹介ありがとうございます」と御礼メールを送ったり、商品提供をご提案したり、場合によっては事務所にご招待して商談や意見交換をしてもよいでしょう。個別のやりとりは、アフィリエイターと直接連絡を禁止しているASPもあるので確認が必要です。この部分は重要なお話なので、別の記事であらためて取り上げていきます。
アフィリエイトのレポート活用、まとめ
ASP管理画面で毎月確認すべきレポートは、月別・日別・アフィリエイト別レポートの3つです。他にも広告素材別レポートなど、ASPにより提供されています。
レポートから読み取れることは、提携数・稼働数の増加、前月・前年との比較、キャンペーンの効果、成果確定前に要注意サイトを確認、実績をあげているアフィリエイトサイトを見つける・・・などです。
管理画面のレポートから、アフィリエイト広告全体の実績を見ることができます。キャンペーンの効果、来季の予算検討の参考に、次の施策に展開することに活用します。
提携済みアフィリエイターを対象としたキャンペーンについて、実施後のクリック数やオーダー数の推移、掲載やクリックの発生しているアフィリエイトサイトが増えたかどうか、オーダーの出ている実績のあるアフィリエイトサイトの数・・・なども、評価項目となるでしょう。
これらのレポートを読み解くことで、提携数増のためには報酬アップキャンペーンがよい、成果獲得のためには全体ではなく特定のアフィリエイターに対する取り組みがより効果がある・・・といった、目的に沿ってキャンペーンを企画立案することができます。「成果獲得件数のみで評価していて、レポートをあまり活用できていなかった」という場合は、ぜひ毎月1回は、月初以降にレポートを見る習慣をつけていきましょう。