年間販売数やレポートから、アフィリエイター向けキャンペーンのスケジュールを立てる方法を共有します。
このページの目次
アフィリエイター向けキャンペーンとは
アフィリエイター向けキャンペーンとは、成果の伸び悩みなど課題の解決のため、提携済みのアフィリエイターに通常より高い成果報酬を期間限定で提供することです。
広告主は「販売件数を伸ばしたい」と獲得を目的としたキャンペーンを企画することが多いですが、実施時期や企画内容によっては、予想より効果が出ないこともあります。アフィリエイター向けキャンペーンは提携済みのアフィリエイターだけを対象に実施するため、提携アフィリエイターが少ないと期待した効果が出ません。そのため、提携済みのアフィリエイターや、稼働率を増やしておくことが重要なのです。
アフィリエイター向けキャンペーンの実施時期
アフィリエイト広告のキャンペーンを効果的にするには、適切な時期にキャンペーンをする必要があります。ASP管理画面レポートから、月別の成果獲得数を確認してみましょう。まだ運用が1年未満で昨年対比がない場合は、運用しているショップの販売実績でもよいでしょう。
※アフィリエイト広告経由の月別販売件数のグラフ例
例えば、上の図のような状況だと、7月と12月の販売件数が伸びて、2月と9月が下がる傾向になっています。
アフィリエイター向けキャンペーンはリスクが少なく始められるので、閑散期に在庫が減らせるかもしれない・・・と期待してしまうことがあります。しかし、アフィリエイターは「売れる商品を、さらに売ること」「売りやすい時期に、さらに露出をすること」が得意です。多くの成果を狙うキャンペーンなら、売れる時期に合わせて実施することが大切です。上の例で言えば、7月や12月が適しています。
繁忙期は販売件数のアップを目指し、閑散期は新規のアフィリエイターの獲得に注力するのがおすすめです。
キャンペーンの年間計画を立てる
ショップで季節イベントをしているなら、それに沿ってアフィリエイト広告でも企画してはいかがでしょうか。提携済みアフィリエイターにアフィリエイター向けメールマガジンを配信して「季節のお勧め」や「今、とても売れています」と売れる時期を情報提供します。
合わせて、アフィリエイター向けキャンペーンの企画をしていきます。
※年間の季節イベントとキャンペーンの例
閑散期:アフィリエイター向けキャンペーン
閑散期は「バナー貼るだけキャンペーン」や、「初オーダーキャンペーン」のような初心者のアフィリエイターでも比較的報酬が獲得しやすいキャンペーンをすることで、提携数の底上げを目指します。
「バナー貼るだけキャンペーン」は掲載が保証されるので、広告主の商品に興味がないアフィリエイターも申請することがあり、その場合、継続的な紹介につながりにくいというデメリットがあります。カテゴリーや条件を限定して、興味のないアフィリエイターの提携を減らすことも大切ですが、おすすめは「バナー貼るだけキャンペーン」の後に「初オーダーキャンペーン」を実施することです。「初オーダーキャンペーン」は、成果を出したことのないアフィリエイターでも、1件でも成果があればボーナス報酬がもらえるため、紹介するモチベーションにつながりやすいキャンペーンです。「バナーを貼っただけ」で終わらせないように、継続的な紹介を促す工夫をしましょう。
閑散期:アフィリエイターのリクルーティング
親和性の高いコンテンツを作っているアフィリエイターに「うちのショップを紹介してください」「興味があったら提携してください」とアプローチすることを、アフィリエイターのリクルーティングと言います。
運用の作業が少ない閑散期だからこそ、アプローチするためのリストの作成や、個別にメールで連絡するなどの対応してみましょう。
繁忙期:アフィリエイター向けキャンペーン
「報酬アップキャンペーン」は、販売実績が伸びる繁忙期に合わせて、アフィリエイター向けに企画するのがおすすめです。
12月のキャンペーンを例に説明します。 冬のボーナスやクリスマス、お歳暮、お正月などのイベントがある12月は商戦期です。年で一番販売が伸びる時期なので、セール商品や福袋の予約販売、メールマガジンや特別クーポンなど、多くのショップで実績を増やすための企画をしています。
例えば12月1日からエンドユーザー向けセールをする場合、アフィリエイター向けキャンペーンは少し前の11月20日頃から報酬アップします。「直前の告知で、セール開始時に掲載が間に合わない」ことがないように、ページ作成などの準備をしてもらうためです。
解禁前の情報はアフィリエイター向けメルマガだけで提供して、「12月1日0時から公開可能です」「セールバナーは12月1日10時から利用できます」とご案内し、アフィリエイターに事前に情報を漏らさないようにお願いします。
※今回は12月セールに合わせた例で説明しましたが、新商品の販売開始や商品リニューアル、テレビCMなどのマス広告利用時、母の日など他のイベントなど、さまざまなシーンで応用できます。
事前準備
アフィリエイト広告のキャンペーンは比較的簡易にスタートすることもできますが、事前に企画内容を検討・準備をして、ベストな形でスタートすることをお勧めします。
企画内容やキャンペーン期間を決めたら、ASP担当者に連絡をしておきましょう。ASPによっては、管理画面から広告主が自分でキャンペーン設定ができたり、管理画面のフォームから依頼できたりするところもあります。広告主が自分で設定できる場合でも、事前にASP担当者に伝えておくと、何か提案がもらえるかもしれません。例えば、ASPが用意している広告枠の利用などです。
ASPの広告枠を検討
キャンペーン実施時は、ASPの管理画面で有料の広告枠を使って露出を高めることで多くのアフィリエイターに気づいてもらえます。ASPの広告枠は、主に3つです。
- 管理画面の広告枠
- ASP発行の、アフィリエイター向けメールマガジン
- ASPの季節特集
管理画面の広告枠
ASPの管理画面に表示される有料の広告枠は、アフィリエイターに気付いてもらうための枠が多数用意されています。
ログイン前も大きな広告枠やポップアップで表示されるものがありますが、お勧めはプログラム検索後に表示されるテキスト広告枠です。検索数は多くなくても、商品やサービスのカテゴリーに近い、興味を持っているアフィリエイターが見ている可能性が高いと言えるからです。主に有料での露出となりますので、目的にあわせて予算内で効果を上げられる枠がないか、ASPの担当者に相談してみましょう。
ログイン前の画面をお勧めしない理由は、アフィリエイターだけでなく、アフィリエイトを好ましく思っていない一般の人の目に触れることもあり得るからです。一番目立つ枠であることは間違いないのですが、「このショップはアフィリエイト広告をしているのか」「宣伝をするのか」のようにとらえる人もいます。同じく目立つ枠を検討するなら、ログイン後の枠を検討されることをお勧めします。
ASP発行のアフィリエイター向けメールマガジン
多くのASPが週1回ほど、ASPに登録している全アフィリエイターに送信しているメールマガジンに掲載する広告枠です。広告主単体で告知できるものや、ASP発信の定期情報のメルマガのヘッダーやフッターの広告枠が有料で利用できます。自社と提携しているアフィリエイターだけでなく、ASPに登録している全てのアフィリエイターにキャンペーンの告知ができるのが魅力です。
ASPの季節特集
季節特集は、複数の広告主と一緒に掲載されるASP管理画面の広告枠のことです。有料、一部は無料の枠もあります。バレンタイン、新生活、母の日・父の日、敬老の日、クリスマスなど季節イベントにちなんだ特集が組まれます。複数の広告主が参加している、同じテーマで特集を組む場合もあります。
季節特集のメリットは、露出期間が長いことです。他の広告枠が1週間から1か月ですが、季節特集はイベント前から終了まで管理画面で表示されます。週1回ASPから配信されるアフィリエイター向けメルマガにも期間中は紹介されます。単独の広告枠は開始時に一度だけ掲載されるので、季節特集は数週間露出できるのが大きな魅力です。商品やサービスに合う特集があれば検討をしてみましょう。
広告素材を用意
毎年定番のものなら、企画に合わせたバナー広告素材を用意しておくとよいでしょう。セールや福袋のバナーは訴求力が強く、クリック率が高いのでアフィリエイターに好まれます。セール期間になったらすぐに素材登録・更新ができるよう、事前に準備をしておきます。
※テキスト素材は、期間限定のものは追加をしないのがお勧めです。自動更新ができず、アフィリエイターに削除や差し替えの手間をかけてしまうからです。
アフィリエイター向けメールマガジンを準備
キャンペーンのスタートは、提携済みアフィリエイターへアフィリエイター向けメールマガジンを活用して告知します。開始3日程前にキャンペーンの予告をして、キャンペーンの企画内容を説明、素材追加のスケジュールを共有して、アフィリエイターに紹介の準備をしてもらいましょう。
キャンペーンがスタートしたら、スタート時、中間、終了1週間前にもメルマガを送ることをおすすめします。報酬アップキャンペーンを最大限活用して、ひとつでも多く掲載サイトを増やすために、売れ筋商品の情報やお客様の特徴などを共有して、紹介に活用してもらいましょう。
補足:大手法人に掲載依頼を検討
個人アフィリエイターだけでなく、ポイントサイトや価格比較サイトなどを運営している大手法人アフィリエイトに掲載依頼を検討する場合は、ASP担当者へ事前に相談が必要です。
例えば12月に掲載の場合、一部の大手法人アフィリエイトサイトはお盆明けに調整がスタートしています。季節特集や企画ページ、媒体の発行するメールマガジンの広告枠などがあり、枠には限りがあります。成果報酬以外に固定費やプラスの特別報酬を提供して交渉する場合が多いので、興味があれば早めにASP担当者に問い合わせをしておきましょう。
※大手法人と提携ができないASPもあります。また、商材やサービスにより法人アフィリエイト側で掲載不可となる場合もあります。掲載を検討する場合は、早めに問い合わせをするようにしましょう。
終了後
キャンペーン終了後の作業をまとめます。繁忙期で作業も立て込みますが、アフィリエイト広告の成果確定や、管理画面の更新は忘れずに対応するようにしましょう。
成果確定作業
アフィリエイター経由で成果があったものは、「成果確定」を行います。できる限り待たせずに成果確定をすることが、アフィリエイターから喜ばれて信頼につながります。
キャンペーン期間が1か月半など長期になる場合も、広告主が設定した確定目安(30日など)に沿って作業を行う必要があります。キャンペーン期間中は注文が増えて、確定作業も付け合わせなどに多くの時間が掛かります。アフィリエイターが心待ちにしている対応なので、慎重に誠実に対応しましょう。
ASP管理画面の更新
ASP管理画面のプログラム詳細にキャンペーン告知文を追記していた場合は、終了後に既存のものに差し替えをします。
合わせて、セールや福袋用のバナー広告素材を追加していた場合は、販売期間の終了やページの削除に合わせてショップロゴなど通常時に利用可能なものに差し替えます。
広告素材は、期日になったら通常用のものに差し替えをしてもらうようアフィリエイターにメルマガで依頼することも可能ですが、わざわざ差し替えるのは大変なので、そのまま掲出され続けることが多いのです。バナー広告素材は、広告主が「素材の更新」をして差し替えすることで、利用中のアフィリエイターの素材を自動で変更することができます。アフィリエイターに作業の負担をさせずに対応できます。
差し替えが完了したら、アフィリエイターにメルマガで「福袋の販売が終了したので、1月5日よりトップページのバナーに差し替えとなります。自動更新となりますので、アフィリエイターの皆さまの作業は発生しないのでご安心ください」とご案内しましょう。
※広告主が作業することで自動更新できるのはバナー素材のみなので、アフィリエイター側で作業が発生してしまうテキスト素材は、定番のもの以外はできる限り登録しないことをお勧めします。
レポートでキャンペーンの効果検証
キャンペーンを実施したことにより、目標に沿った効果があったのかASPの管理画面レポートで確認しましょう。
直接的な成果獲得件数だけではなく、新規掲載のアフィリエイターや、大きく実績を伸ばしたアフィリエイターの傾向など合わせて確認します。実施時期や企画内容は適切だったのか、来期のキャンペーンにつながる情報をレポートから読み取りましょう。
まとめ
アフィリエイター向けキャンペーンとは、提携済みのアフィリエイターに通常より高い成果報酬を期間限定で提供するものです。「とりあえず報酬アップ」ではなく、ASP管理画面のレポートで販売の伸びる時期を確認して、売れる時期にさらに売るための企画をしましょう。
広告主もアフィリエイターも「成果を伸ばしたい」と思っています。アフィリエイターは売りやすい商品を選んで送客し、成果獲得することを目指して活動しています。特に繁忙期は、他社も報酬アップキャンペーンをしています。他より魅力あるキャンペーンを企画して、多くのアフィリエイトサイトで紹介されるように運用していきましょう。
アフィリエイター向けキャンペーンは、サポートでも数多く取り上げている重要な施策です。よろしければこちらからご相談ください。どんな取り組みが最適か、一緒に考えていきましょう。お待ちしています。