法律違反やルールを守らない可能性のあるアフィリエイターとは提携しないように、アフィリエイターからの提携申請は手動承認を選択しましょう。
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アフィリエイターからの提携申請を「提携承認」するとは?
アフィリエイターは、ASPの様々なプログラムの中からブログやサイトのテーマに合う・興味関心のある広告主に対して「提携申請」をします。アフィリエイターが「提携したい」と、広告主に伝えることが提携申請です。
アフィリエイターの提携申請を受けて、広告主は自動・もしくは手動で、サイトの内容や登録カテゴリーなどが合致しているかを提携審査をして、問題ないと判断すれば「提携承認」をします。提携承認されると、アフィリエイターはアフィリエイトサイト上にバナーやテキストなど、広告主が用意した広告素材を掲載することができるようになります。
提携審査で基準に満たないと判断すれば、「提携否認」をします。提携否認をすると、アフィリエイターは広告素材を掲載をすることができません。
- 提携申請:アフィリエイターが広告主を選び、広告掲載の許可を得るために申請をすること
- 提携審査:提携申請したアフィリエイターを広告主が審査すること
- 提携承認:申請されたアフィリエイトサイトを、広告主が承認をしたこと(アフィリエイターは広告掲載が可能になる)
- 提携否認:広告主が決めた提携条件に合わないアフィリエイターを却下すること(アフィリエイターは広告掲載ができない)
自動承認・手動承認とは?
アフィリエイト広告運用の開始時に、広告主はアフィリエイターからの提携申請を「自動承認(自動で承認する)」か、「手動承認(手動で承認する)」を選択します。
自動承認はほとんどのASPで実装されている標準機能で、アフィリエイターからの提携申請を自動的に承認します。手動承認は、広告主側の審査が終わるまで承認を保留する機能です。運用を開始していても、途中で自動承認から手動承認に変更することも可能です。
以前は自動承認が推奨されていましたが、今は基本的に手動承認をお勧めしています。その理由を以下に説明します。
なぜ、以前は自動承認を推奨していたのか
アフィリエイト広告では以前、自動承認が推奨されていました。広告主が提携承認をしないとアフィリエイターは広告を掲載できないので、プログラムに申請した、興味関心がある時にスムーズな掲載を後押しするためです。
より多くの広告を掲載してもらうために、広告主は多くのアフィリエイターと提携する必要がありました。提携承認したアフィリエイターが全て広告を掲載してくれるわけではなく、実際に広告掲載するのは2割ほどで、多くは「提携しただけ」で掲載まで進みません。一般的なアフィリエイターは、注力している広告主は3~10プログラムほどで(もちろん、もっと少ない・多い場合もあります)、副業で取り組まれている方が多く、日々の限られた時間の中でアフィリエイトの活動をしています。アフィリエイターは限られたリソースの中で優先順位をつけて活動しているので、労力を掛けても成果の見込みが薄いと判断すれば、提携していても紹介まで至りません。アフィリエイターは他にもたくさんのプログラムと提携しているので、提携したことを忘れてしまう場合もあるのです。
紹介をしてもらえないなら、提携承認をしても意味がないかというとそうではありません。
提携関係になると、一部のASPでは提携済みアフィリエイターにメールマガジンを送信できる機能があり、季節のおススメやエンドユーザー向けのセール情報をタイムリーにお知らせすることができます。売りやすい・お得な情報をアフィリエイターに提供することで、掲載が促進されるだけでなく、自己申込(セルフアフィリエイト)を可としているなら、お得な情報から購入につながり、アフィリエイターが顧客となってユーザーに近しい立場で紹介をしてくれる可能性もあります。
提携申請してくれたアフィリエイターが、商品を利用している顧客の可能性もあります。たとえはじめたばかりの更新が少ないアフィリエイトサイトであっても、手元に商品があることで説得力のある紹介をしてくれる、商品が気に入れば近しい友人に紹介をしてくれるといったメリットもあります。
アフィリエイターがショップや商品に興味があり、自己購入で利用してみたい・いずれ利用してみたいと思っていた見込み客の場合もあります。
アフィリエイターから見ると、興味関心を持って提携申請したのに「提携しても、紹介されるかどうかわからない」と、広告主側の一方的な都合で提携否認してしまうと、非常に残念と感じてマイナスの印象を持ってしまうこともあります。これらのことから、まずはできる限り広く提携承認をして、より多くのアフィリエイターと提携関係になることが推奨されてきました。
ですが、昨今の行政の規制の動きやマスコミの報道もあり、不特定多数のアフィリエイターと提携関係を結ぶことにリスクが生じるようになってきています。集客のために過剰な煽り、嘘の情報、効果がある・病気が治るなどといった薬機法や景品表示法に接する表現をしてしまう、広告主が利用禁止していても商標キーワードでリスティング広告を出稿してしまう・・・といった、成果報酬のために過激な訴求をしてしまうアフィリエイターも、残念ながら一部います。問題あるサイトと提携しないために、目視でサイトを確認して手動承認で提携する必要があるのです。
自動承認のメリット・デメリット
自動承認のメリット・デメリットをご紹介します。
自動承認のメリット
- 承認作業をしなくてよい。
- アフィリエイターが「提携したい」「とりあえず提携しておこう」と思ったタイミングで申請ができる。
- アフィリエイターが提携申請後に、すぐ広告素材を利用することができる。
自動承認のデメリット
- アフィリエイターの質が安定しない。
- アフィリエイターからの提携申請が自動的に承認されるので、「一部カテゴリーを除外したい」「サイトの傾向に合うアフィリエイターとだけ提携したい」といった条件設定ができない。
以前はできる限り掲載の可能性を上げるため、アフィリエイターを待たせないように自動承認が推奨されていましたが、今後は手動承認にすることをお勧めします。
アフィリエイターの利便を優先してあえて自動承認にする場合は、アフィリエイトサイト別レポートを定期的に確認しましょう。事前に提携条件を提示しておき、提携後に数日分をまとめて審査して、条件に当てはまらないアフィリエイターを後から提携解除することも可能です。
手動承認のメリット・デメリット
手動承認を選択することの、メリット・デメリットを紹介します。
手動承認のメリット
- サイトを目視して提携承認できる。
- 広告主が決めた条件に合うサイトのみと提携できる。
- 一部カテゴリーは除外、サイトの傾向に合う、といった細かな条件を設定できる。
手動承認のデメリット
- 最低でも1日一回、承認作業が必要になる。
- ASPによっては複数のサイトを1つのIDで管理しており、登録サイトを全て確認するのに時間がかかる。
- 社内で複数人で対応する場合は、承認基準を定めておく必要がある。
- 提携を否認された・・・と、アフィリエイターに残念な思いをさせることもある。
「知らなかった」「アフィリエイターが勝手にやった」ではすまない事例も発生しています。薬機法以外にも、例えば芸能人の顔写真をキャプチャして使用している、著作権侵害の動画をアップしている等、法例に疎いと思われるアフィリエイターと提携しないことで、リスクを軽減できます。本来ならASPが審査の段階で対応してほしいところですが、登録時は問題なくても活動の方向が変わることもあります。「目視して提携できる」ことが最大のメリットです。
否認するアフィリエイターにも配慮を持ちたいものです。ぜひ、提携否認についてまとめた記事も合わせてご参考ください。
提携申請を手動承認にすべき理由、まとめ
日々の承認作業が発生しても、今後はできるかぎり手動承認を選択することをお勧めします。法律違反や広告主の設定したルールを守らない可能性のあるアフィリエイターと、提携関係にならないようにするためです。
ASPの中には、過去にルール違法をしたアフィリエイターにフラグを立てて、自動承認を選択していても、広告主側が承認しなければ提携できない仕組みを提供しているところもあります。しかし、全てを自動で対応できるわけではありません。広告主側の承認基準に沿った運用をするには、現状では目視による確認が必要です。
アフィリエイターの中には、提携承認後に表現を変更してしまうこともあります。管理画面のプログラム詳細やアフィリエイター向けのメールマガジンで、ルール外の活動をしないように周知します。広告主が「知らなかった」では済まない事例も発生しているので、手動承認でリスクを軽減しましょう。
ただし、やみくもに提携否認することはお勧めしません。提携否認の条件については以下の記事で解説しているので参考ください。