ショップの既存顧客(エンドユーザー)にアフィリエイターになってもらうことで、利用者の生の声を発信してくれる人を増やす方法を共有します。
このページの目次
「自社のユーザーにアフィリエイターになってもらう」とは
アフィリエイト広告を利用中の広告主が、ネットショップ上に「アフィリエイト募集窓口」を設置することで、既存顧客に向けて「アフィリエイターになりませんか?」「アフィリエイターを募集します」とご案内します。ネットショップを利用しているお客様にアフィリエイターになってもらうことで、ECサイトを利用した“生の声”を発信してもらえます。
商品の使い方や良さを実感しているユーザーに紹介してもらえるからと、パソコンメーカー、総合通販、大手メーカーなど有名なショップも活用しています。
説明や体験が購入の後押しになる商品ほど、チャレンジしたい施策のひとつです。筆者がASPに在籍時の例ですが、アフィリエイト募集窓口経由でアフィリエイトに登録してくれた人は、稼働率の高さに定評がありました。手元に商品があることで紹介がしやすく、体験して良さも実感していることから、購入を検討している見込み客に説得力のある訴求ができるからです。
「アフィリエイト募集窓口」とは
「アフィリエイト募集窓口」とは、広告主のネットショップ上に、アフィリエイターになることを促すページを設置することです。
ネットショップにアフィリエイトの案内を掲載するなんて・・・と躊躇されるかもしれませんが、「アフィリエイター募集」「アフィリエイト募集窓口」などで検索してみると、多くの総合通販、メーカー、パソコンショップなどで活用されている例が出てきます。検索結果には雑多な情報も多いので見つけにくいかもしれませんが、求人情報やASPのアフィリエイター募集ページなどを除外して探してみるとよいと思います。
※参考:「アフィリエイト募集窓口 パソコン」のGoogleの検索結果より
「アフィリエイト募集窓口」設置のメリット
アフィリエイト募集窓口の設置は、提携アフィリエイターを増やす取り組みのひとつです。それ以外にも、広告主にメリットがあります。
- 興味関心がある人にアフィリエイターになってもらえる
- 実際に使った生の声を紹介に活用してもらえる
- 既存のお客様と関係性を構築できる
- アフィリエイターとしての経験を得られる
興味関心がある人にアフィリエイターになってもらえる
商品やサービスを利用している既存の顧客(エンドユーザー)へ案内するので、広告主に興味関心がある人にアフィリエイターになってもらえる可能性があります。
アフィリエイト広告は、提携申請をしてくれたからと言って、商品やサービスに積極的に興味を持っているアフィリエイターばかりではありません。「近しいカテゴリーを紹介している」「ショップの名前を聞いたことがある」「とりあえず提携した」というアフィリエイターも多いので、提携してくれたからといって、掲載まで進むとは限りません。稼働率があがらない原因もここで、無作為に提携数を増やしても、効果に結び付きにくいという課題があります。
アフィリエイト募集窓口経由の申請であれば、「既にショップに訪問している」「会員である」「購入済みのユーザーである」といった、関係性を持っている人になります。募集窓口を見たすべての人に届かなくても、既にアフィリエイトをしている人が見れば「このショップはアフィリエイトをやっていたのか」と気付いてもらえて、「それなら提携してみよう」となりますし、アフィリエイトを知らない人なら「ブログやSNSで紹介することで、キャッシュバックがあるのか」と興味を持ってもらえます。
実際に使った生の声を紹介に活用してもらえる
使ったことのない商品を、広告主のショップと口コミサイトなどの寄せ集めの情報で紹介するよりも、実際に商品を使用しているユーザーが紹介する方が、商品を選んだ理由、使い方、メリットだけでなく「ここが改良されるともっとよかった」と改善点も合わせて紹介してもらえるので、サイト訪問者にとって説得力のある紹介記事が書けます。
手元にある商品を紹介するので、リアルな写真が掲載できるのも魅力です。ファッション商材は着用画像が人気ですし、家具や家電、キッチン雑貨も利用シーンの商品撮影ができるので、サイト訪問者に説得力のある訴求ができます。ユーザーがアフィリエイターとして紹介してくれる、一番のメリットです。
既存のお客様と関係性を構築できる
商品の購入時やショップに訪れた時だけでなく、アフィリエイターとして活動してもらえることで接点が増えます。定期的なアフィリエイター向けメールマガジンによる旬の情報提供や、セール開始前の事前予告で、「顧客よりも、少し早く」お得な情報を得られます。
自己購入可(セルフアフィリエイト、セルフバックなど)にしている場合は、顧客がアフィリエイターになることで、自分で申し込む時も成果報酬を得ることができます。友人や家族に紹介する時も「アフィリエイトのバナーを経由してほしい」と頼むことで、「まわりに紹介するメリット」を提供できます。同業他社に似た商品があっても、アフィリエイトをしていることで「このショップで継続的に購入すると、メリットがある」と思ってもらえます。
アフィリエイターとしての経験を得られる
アフィリエイト広告収入を得られるのは、アフィリエイターだけではありません。広告主がアフィリエイターとしてASPに登録していたら、ASPの「アフィリエイター募集プログラム」を探してみましょう。多くのASPで、アフィリエイターに誘導するごとに数百円の成果報酬が得られるプログラムを公開しています。
成果の金額は大きくはないですが、自サイトにバナーなどの広告素材を貼って「アフィリエイターとして活動する」ことで、素材のサイズやデザインが適切か、バナーを探して掲載するまでに掛かる時間を把握できる等、アフィリエイターの活動を体験できます。
多くの広告主がアフィリエイト運用をしていますが、自らブログやサイトに広告素材を掲載した経験がない担当者もいます。アフィリエイターの労力を垣間見ることで、アフィリエイターが検索しやすいように広告素材を登録したり、わかりやすいプログラム詳細に改善したりといった、運用に役立てていけます。
「アフィリエイト募集窓口」設置のデメリット
アフィリエイト募集窓口を設置することの、予想されるデメリットを考察します。
- アフィリエイトに苦手意識を持つ人もいる
- 募集窓口の管理をする必要がある
アフィリエイトに苦手意識を持つ人もいる
広告を利用していること、アフィリエイト広告を利用していることを顧客に向けてオープンにしたくないという企業もおられます。
一部の不当な行為をするアフィリエイターのために、アフィリエイト広告に対して良い印象を持っていない人もいますが、アフィリエイト募集窓口は総合通販、大手メーカーをはじめ、中小企業まで様々な広告主が設置しています。それぞれメリット・デメリットを判断して設置を継続されているようです。
募集窓口の管理をする必要がある
アフィリエイト広告担当以外がWebサイトを管理している場合、募集窓口の制作依頼をする必要があります。広告素材の入れ替えや提携条件のルール変更をしたら、更新作業が発生します。
制作会社が管理している場合は、ページ作成に費用が発生する場合もあるでしょう。
作業工数は発生してしまいますが、募集ページの設置は、自社のアフィリエイト運用の提携条件や、どんなアフィリエイターとコミュニケーションをとりたいのか、違反となる場合のルール作成など、運用のアップデートにも役立ちます。
アフィリエイト募集窓口の掲載例
必要な情報を整理して掲載します。
アフィリエイトのことを知らない人が見てもわかるように「アフィリエイトとは?」の説明から、プログラムの特徴、参加方法などを記載します。
参考:マウスコンピューター アフィリエイトプログラムのご案内
設置が完了したら、リンクシェアなど一部のASPは「設置しました」と連絡が必要なことも。念のため、ASPの担当営業に「アフィリエイト募集窓口を作ります」と報告しておくとよいでしょう。
アフィリエイトの説明
「あなたのホームページやブログに指定されたリンクを貼って、サイト訪問者がそのリンクを経由して公式サイトに移動し、商品を購入すると、あなたに報酬を支払う仕組みのことを“アフィリエイト”と言います」のように、まずは「アフィリエイトとは?」を説明します。作図が難しければ、テキストの説明でもかまいません。
プログラムの特徴
ショップのプログラムについて説明します。
報酬率は販売金額の何%なのか、対象商品は公式サイトで販売しているもの全てなのか、自己購入は可なのか、成果の対象外はあるのか、といった基本的なプログラムの内容を記載しておきます。
それ以外にも、禁止事項があれば明記します。募集窓口経由で提携申請をしてくれたのに、条件に満たないために提携承認ができない場合もあります。あらかじめ「提携できないサイトの条件」があれば明記しておきましょう。
参加方法
利用しているASPのリンクを貼っておきます。紹介用のリンクをアフィリエイトリンクにしておくことで、募集窓口経由でアフィリエイト登録をしてくれた件数を把握できます。
既にASP登録済みの人のために「ASPにログインしたら、〇〇ショップで検索ください」と検索方法を案内しておくとよいでしょう。
アフィリエイト募集窓口の活用法
アフィリエイト広告では、ショップの商品を愛用してくれるお客様に、口コミやお友達に紹介してくれたことに対して成果報酬を支払うことで、「アフィリエイトの仕組みを使ってお礼をする」ことができます。自己申込を可(セルフバック、セルフアフィリエイトなど)にしている場合は、既存の顧客(エンドユーザー)はアフィリエイトの活動をすることで、少しお得に商品を購入できます。
筆者がASP在籍時のことですが、ある広告主の募集窓口ページからアフィリエイトを知って、テーマごとにサイトやブログを作ってアフィリエイト活動をすることで、法人化まで至ったアフィリエイターがいました。一人でも継続して活動してくれるアフィリエイターがいるのであれば、募集窓口の設置の価値はあると言えると思います。
アフィリエイト窓口は、広告主にとって提携数のアップや利用者の声を集められる可能性があるだけでなく、「顧客にもメリットがある」ことが、大手メーカーや総合通販だけでなく、中小企業の広告主も設置している理由です。ぜひ活用いただきたい施策のひとつです。